WEBデザイナーの私が、ボランティア活動を始めたきっかけ
以前になるのですが、ボランティア活動に力を入れていた時期があります。
基本的には仕事(デザイン)の技術を活かして活動をすることが多かったのですが、始めた当初は意識的にデザインとは違う活動を選んでいました。
始めたきっかけなのですが、ブラック企業に疲れて、半分引きこもりになった事です😅
ブラック制作会社に2回連続で入ってしまい、1社目を1か月、2社目を2か月半で辞めた時、まったく働く気力を半年程失ってしまった過去があります。
面接に行っても、「働きたい」と思えないのです。
また、そういった感じも企業側に伝わっていたのでしょう。書類は通るのですが、面接で悉く不採用の日々。。。
「どうせまたブラック企業に当たってしまうんだろうな」なんて考えてしまうと、本当に気力の湧かない、そんな苦しい時期だったです。
そうした引きこもり生活の中、ふと思い立った事があります。
もしかして自分は、ブラック企業を引き寄せているだけでなく、同時に自分も吸い寄せられているのではないか、と。
特に2社目の時でしょうか。
職場にあるリーダーがいたのですが、その人物にデザインを認められようと頑張っていました。
今だからになりますが、人格的に非常にイヤ~な感じの人物でした😅
私自身、デザイナーとして自信がなかったというのもあったかと思います。
「この人に認めてもらえれば、レベルの高いWEBデザイナーになれる」といった思いでしたが、毎日のように馬鹿にされ続けていました。
「(こんなデザインでは)売り物にならない」と言ってくるが、理由を訊いても「いやぁ、まぁ」と薄笑いではぐらかすことしかしない。
挙句に、私の制作物をプリントした紙をひらひらとさせながら、同僚に「これだよ、ないよね」などと嘲笑うような人間でした(私がいると気付いた途端、とぼけた顔でごまかす)。
辞めて無職になり、少し落ち着けたのでしょうか。
こんな人間に認められようとしていた自分自身にも問題があるように感じ、もっとデザインよりも広い世界を見てみたくなった。
世の中には、また別に大切な事があって、それを自分は知らな過ぎるように感じたのです。
そこからボランティア活動をスタートさせました。
こうした背景でしたので、まずは「まったくデザインから遠そうな事」から始めてみました。
駅前の清掃活動(真夏💦)、イベントの案内スタッフ、新聞記事のスクラップ(作業後の飲み会が楽しみだった🍺)、etc...
とにかくデザインの「デ」の字もないような事を経験したくて、様々なボランティア活動に参加していったのが始まりでした。
その後は、WEBサイト更新、チラシ・パンフレット制作などにも携わりましたが、私のボランティア活動の根本は、「違う世界が見たい」という想いだったように感じています。
WEBデザイナーがボランティア活動をすることの利点
WEBデザイナーなど、クリエイティブ系の仕事に携わっている方がボランティア活動をすることのメリットとしては、以下が挙げられます。
仕事で携わるテイストのデザインに触れることができる
仕事で担当するデザインとは違ったテイストの制作物に携われる事がまず挙げられるでしょう。
事業会社のデザイナーであれば、その会社の扱う商材を元にデザインをするのが基本ですし、制作会社であってもその会社に強い業界などがありますので、日々の業務ではある程度デザインの幅というのは決まってくるものです。
私自身、アパレル業界のWEBデザイナーという時代が長かったので、普段は衣料品をメインにデザイン業務をしていましたが、ボランティア活動では自然や野生動物、アジア・アフリカの人々などを素材に制作していました。
新しい素材に触れる経験にもなりますし、表現の幅を広げることが、仕事の場でも役に立ちました。
自分のデザインの幅を広げたい、と考えているデザイナーの方には非常におすすめです。
ポートフォリオに実績として載せやすい
ボランティアをする団体は基本NPOやNGOになるかと思いますが、実績をポートフォリオに掲載することに関して、一般の企業よりも許可してくれやすい傾向にあります。
ボランティアをする前にオリエンテーションなどがある際、「制作物をポートフォリオに載せて良いか」確認してみましょう。
私もこれまで断られた事はないので、OKをもらえる確率はかなり高いと思います。
ポートフォリオに実績として紹介できる案件が少ない、と困っているデザイナーの方であれば、実績作りに携わるのも手ではないでしょうか。
但し、ある程度の実務経験を持ったプロのクリエイターを団体側も求めています。
実績が欲しいが実務経験が全くないという人は、応募の段階で断られてしまう可能性が高い点には留意です。
人脈が広がる
知り合いや仲間が増える機会にもなります。
仕事での人脈の場合、どうしても同質的であったりする場合が多いのですが、ボランティア活動には様々な背景の人たちが集まってきます。
価値観や年齢、生き方も様々。刺激になることもありますし、新鮮な知見を得る機会にもなります。
私もボランティア活動を通じて、何人か飲み仲間が増えました😊
ぶっちゃけますが、当時は会社の人たちよりボランティア団体で会う人たちの方が、はるかに好きでした(仕事で関わるとなると、そうは行かなくなるかもですが😅)。
日々にメリハリができる
仕事だけの日々ですと、毎日が単調に感じてしまうこともあるかと思います。
業務にも慣れてきますとマンネリ化すると言いますか、どうしても気分が停滞してくるものです。
私は土日をボランティア活動に割いていましたが、仕事とはまた別に「行くところ」があるというのが、私には日々の生きがいになっていました。
いくつかの団体を掛け持ちしていた頃もあり、週末ごとに別の団体に顔を出すことで、また違った人たちに会える。
日々が単調に感じられてしまうと、だんだん閉塞感が強くなっていきますし、
やがて、自信や積極性を失ってしまう事にもなると私は考えています。
自分の可能性を信じ続けられる秘訣は、こうした日々のメリハリにあるのではないでしょうか。
「実績作り」より大切なこと
私自身、ボランティア活動に携われた事はとても良かったと感じています。
普段扱わないような素材でデザインができ、それを自分の実績に加えられたのは、ありがたかったのは事実です。
ただ、何より今でも大切に感じているのは、当時共に活動した仲間たちとの時間です。
当時所属していたNPO法人で、ボランティアに割と自由に活動させてくれる団体がありました。
ドキュメンタリー映画を放映する団体だったのですが、週1回ボランティア主体で上映会を運営させてくれる団体でした。
プレスリリースを始め、周辺のお店や学校あるいは会社への宣伝、上映機材の操作、駅でのビラ配りなどなど。
社会人と学生のメンバー構成で、ちょっとした「文化祭」のようなノリで皆が率先して活動していました🙂
メンバー全員が力を合わせて、一つのイベントを成功させる。
こうした想いに私は憧れていたのかもしれません。
もし私がこうした団体に参加して、「私はWEBデザイン担当なので、他の事はしません」などと言ってたら、果たしてどうだったでしょう。
それ程大切な思い出には、なってなかったと思うのです。
私のデザイナー人生にとってボランティア活動というのは、働き方を考えるある種の転機だったとも感じているのです。
siesta