design siesta

ひと休みして、また歩き出そう

私がインハウスのWEBデザイナーを選んでいる理由 ~「興味の範囲」が活躍のカギ

15年以上、事業会社でデザイナーとして働いています

WEBやDTPのデザイナーとして働くのであれば、大抵はまず会社員かフリーランスを選ぶことになるでしょう。

 

前者であれば、正社員や派遣社員、アルバイトなどとなっていくのですが、「働く先の会社」という観点からすれば、また別の分け方ができます。

 

制作会社か事業会社か、ですね。

 

私の場合、キャリアの最初数年間は制作会社、残りの十数年を事業会社、いわゆる「インハウスデザイナー」として働いてきました

 

理由としては、当時勤務していた制作会社で嫌な目に遭い、「ちょっともう疲れたな。『ズバリ制作業務』というより、制作技術を生かせる会社に行こう」と思い立ち、アパレル企業のEC(Eコマース/通販)部門に入社したのがきっかけです。

 

この「事業会社でのWEBデザイナー」という働き方が存外自分に合っていたのでしょう。

 

その後、10社近く職場を転々としてきましたが、ずっとインハウスデザイナーという働き方を選んできました(エラく転職してるな、というのはここでは置いといてください😅)

 

インハウスデザイナーを続けてきた理由

インハウスデザイナーが私にマッチしていたと感じるのは、大体以下の理由です。

様々な背景の人が集まっている

大学や専門学校を卒業している人が多いと思うのですが、学部や専門分野が皆様々です。

 

あと年齢も幅広い😲

 

上記で紹介したアパレルのEC部門には、10代の若者もいれば70代の方もいました。

※70代の職員の方は、そこらの若い職員よりもデジタルを結構使いこなしていた。

 

当然、いろんな価値観が混ざり合う世界になります。

 

美術系の若者が多数を占める制作会社とは別世界で、新鮮さと同時に制作会社にはない活気を感じた記憶があります。

 

数字で見える達成感を分かち合える

ECでの売り上げ記録を更新したり、キャンペーンでのユーザー数獲得など、チームなどで喜びを分かち合える瞬間は、本当にシビれます。

 

制作会社でも、制作したサイトが公開されたりするときは喜びがあると思いますが、私の場合には、数値で現れる結果により喜びを感じるようです。

 

WEBサイトを制作する事自体より、制作したWEBサイトで何かをする(物を売る・人を集める)事の方に、私の関心が向いているのかもしれません

 

幅広い業務を経験できる

私の性格としましては、落ち着きがない方です。

 

あまりじっと座って作業するのが得意ではないです(何でデザイナーになったのか謎です😅)。

 

EC部門に在籍していた際には、メインのWEB制作業務の他に、いろいろな業務を経験してみました。

 

商品の発送・梱包に始まり、商品写真撮影、倉庫に行って棚卸、仕入れのため出張(アメリカ)etc…。

 

楽天などのショッピングモールに出店していた会社だったので、年始のカンファレンスに行って、やたらと名刺を配りまくったりw

 

同僚のデザイナーの中には、他の業務を敬遠する人も少なからずいましたが、「何事もクリエイティブのヒント」と考えてた私は、頼まれなくてもやってました

 

拘りが強すぎない

制作に携わる人によっては、「1ミリ(あるいはピクセル)のズレも許せない」という方もいらっしゃるかと思います。

 

しかし私は、そこに拘らなかった

 

いや、拘れなかったというべきでしょうか😅

 

基本的に、購入ボタンがちょっと中心からズレてたりしても、
「押せればいいじゃん。別にそれで売れなくなるわけじゃないし」というマインドなのです。

 

逆に細部に拘り過ぎて、完成が遅くなったりするのは、事業会社(特にEC)の場面では歓迎されません

 

こうした感覚も事業会社の水に合っていたと感じています(制作会社では怒られると思います)。

 

過度な残業がない

ここまで言ってしまって良いのかと戸惑いもありますが、私はそんなに「デザイン大好き人間」ではないようです💦

 

前項でも記したように、「時間の許す限り良い制作物を目指す」という感覚も薄い(「本当に大丈夫か?」と、書いてて段々うすら寒くなってきましたが;)

 

制作会社と比較して、事業会社の場合は納期も緩めのケースが多いです。

 

「何が何でも期日に間に合わせる」というようなムードではなく、「頑張っても終わらないなら、延期しよう」というような柔軟性を持っているのが特徴です。

 

そうした事もあり、過重な長時間労働などは発生しにくい土壌であると言えます。

 

このようなワークライフバランスの良さも、私がインハウスデザイナーを選んでいる理由といえるでしょう。

 

インハウスデザイナーとして働くときに大切な事

前章を踏まえて、事業会社でのデザイナーとして活躍できる条件は以下になるかと思います。

興味の範囲を広く持つ

WEBの技術以外へも視野を広げることができる事。

一つの事に集中より、広く興味を持てる事が大切だと考えています。

 

事業会社に入りますと、その会社が扱う商材などにも興味を持つことがとても肝要ですし、「どんな人がいて、どんな人たちが働いているのか」に関心を持てるかも大事です。

 

前述の繰り返しになりますが、クリエイティブのヒントはいろんな所に落ちています。

 

制作以外の業務を行う際、思考停止になって自分で考えて動かない、なんて事のないようにしたいところです。

 

会社の外にもデザイン仲間を作る

制作会社に比べ、インハウスデザイナーは技術向上が鈍くなりがちなのは否めません。

 

最新技術などにも触れる機会が少ないですし、活用する機会も少ないです。

 

加えて、作業も簡単なケースが多いです。

 

アプリ構築のような、難易度の高い作業は外部の制作会社に依頼し、我々インハウスデザイナーは、納品されたデータを用いての簡単な更新業務といったケースもあります。

 

同僚も同じレベルであることが多く、納品されたデータを見ながら「これ、どうやって作ってるんだろう?」なんて言い合っていることもしばしば;

 

こうした時には、外部の勉強会に出席してみるとか、制作会社で働いている知り合いを作っておくと有効です。

 

事業会社のWEBデザイナーは技術偏重的な仕事ではないですが、新技術へのアンテナを確保しておくことは大切であると言えるでしょう。

 

マッチするなら、そこにはエキサイティングな仕事が待っている

インハウスデザイナーとして10数年働いている私の観点から、事業会社でのWEBデザイナーについて語ってまいりました。

 

デザインに対するスタンス、価値観、性格などが合致すれば、非常に面白い仕事になる可能性が高いと言えるのではないでしょうか。

 

また、ECサイトでの制作業務などに携わり、周辺の知識を身に付けていけば、自分でネットショップを開くときのノウハウも獲得できます。

 

もし興味がおありでしたら、インハウスデザイナーへ挑戦してみるのも良いかと思います。

 

 

 

siesta